はじめに

こんにちは!今回はlsコマンドについて学んでいきましょう。

lsは「List」の略で、ディレクトリ内のファイルやディレクトリを一覧表示するための基本的なコマンドです。cdと並んで、Linuxを使う上で最も頻繁に使うコマンドの一つです。

lsコマンドとは

lsコマンドは、指定したディレクトリ(またはカレントディレクトリ)に含まれるファイルやディレクトリの情報を表示する外部コマンドです。ファイル名だけでなく、詳細情報(パーミッション、所有者、サイズ、更新日時など)も表示できます。

基本構文

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ls [オプション] [ファイル・ディレクトリ]

主なオプション

オプション 説明
-l 詳細情報を表示(ロングフォーマット)
-a 隠しファイル(.で始まるファイル)も表示
-A ...以外の隠しファイルを表示
-h ファイルサイズを人間が読みやすい形式で表示(-lと併用)
-t 更新日時の新しい順に並び替え
-r 逆順で表示
-R サブディレクトリも再帰的に表示
-S ファイルサイズの大きい順に並び替え
-1 1行に1つずつ表示
--color 色付きで表示(auto/always/never)

使用例

例1: 基本的な使い方

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ls

実行結果:

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Desktop  Documents  Downloads  Music  Pictures  Videos

カレントディレクトリ内のファイルとディレクトリが表示されます。

例2: 詳細情報を表示

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ls -l

実行結果:

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total 24
drwxr-xr-x 2 user user 4096 Oct 26 10:00 Desktop
drwxr-xr-x 3 user user 4096 Oct 25 14:30 Documents
drwxr-xr-x 2 user user 4096 Oct 26 09:15 Downloads
-rw-r--r-- 1 user user 1234 Oct 24 12:00 notes.txt

各列の意味:

  • 1列目: パーミッション(dはディレクトリ、-はファイル)
  • 2列目: ハードリンク数
  • 3列目: 所有者
  • 4列目: グループ
  • 5列目: サイズ(バイト)
  • 6-8列目: 最終更新日時
  • 9列目: ファイル名

例3: 隠しファイルも表示

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ls -a

実行結果:

1
.  ..  .bashrc  .config  Desktop  Documents  Downloads

.で始まる隠しファイルも表示されます。

例4: 詳細情報+隠しファイル+人間が読みやすいサイズ

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ls -lah

実行結果:

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total 32K
drwxr-xr-x  6 user user 4.0K Oct 26 10:00 .
drwxr-xr-x 10 root root 4.0K Oct 20 08:00 ..
-rw-------  1 user user  156 Oct 26 09:30 .bash_history
-rw-r--r--  1 user user  220 Oct 20 08:00 .bashrc
drwxr-xr-x  2 user user 4.0K Oct 26 10:00 Desktop
drwxr-xr-x  3 user user 4.0K Oct 25 14:30 Documents
-rw-r--r--  1 user user 1.2K Oct 24 12:00 notes.txt

ファイルサイズが1.2K4.0Kのように読みやすく表示されます。これめっちゃ便利です!

例5: 更新日時順で並び替え

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ls -lt

実行結果:

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5
total 24
drwxr-xr-x 2 user user 4096 Oct 26 10:00 Desktop
drwxr-xr-x 2 user user 4096 Oct 26 09:15 Downloads
drwxr-xr-x 3 user user 4096 Oct 25 14:30 Documents
-rw-r--r-- 1 user user 1234 Oct 24 12:00 notes.txt

最近更新されたファイルが上に来ます。

例6: サイズの大きい順に並び替え

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ls -lhS

実行結果:

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total 56K
-rw-r--r-- 1 user user 28K Oct 26 08:00 big-file.txt
drwxr-xr-x 2 user user 4.0K Oct 26 10:00 Desktop
drwxr-xr-x 3 user user 4.0K Oct 25 14:30 Documents
-rw-r--r-- 1 user user 1.2K Oct 24 12:00 notes.txt

大きいファイルから順に表示されます。ディスク容量を圧迫しているファイルを探すときに便利!

例7: サブディレクトリも再帰的に表示

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ls -R

実行結果:

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10
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.:
Desktop  Documents  Downloads

./Desktop:
project1  project2

./Documents:
report.txt  work

./Documents/work:
tasks.md

すべてのサブディレクトリの中身も表示されます。

例8: 特定のディレクトリの中身を表示

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ls -l /etc

実行結果:

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total 1024
drwxr-xr-x  3 root root 4096 Oct 20 08:00 apache2
-rw-r--r--  1 root root 2319 Oct 15 10:00 bash.bashrc
drwxr-xr-x  2 root root 4096 Oct 22 12:00 cron.d
...

指定したディレクトリ(ここでは/etc)の中身が表示されます。

Tips・注意点

  • デフォルトの表示順: 基本的にアルファベット順で表示されます
  • 色分け表示: 多くのディストリビューションでは、デフォルトでディレクトリは青、実行ファイルは緑などに色分けされます
  • オプションの組み合わせ: -l -a -h-lahのようにまとめて書けます
  • ワイルドカード使用: ls *.txtのように、特定のパターンにマッチするファイルだけを表示できます
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    ls *.txt        # .txtで終わるファイル
    ls test*        # testで始まるファイル
    ls [abc]*       # a, b, cで始まるファイル
    
  • エイリアスの活用: alias ll='ls -lah'のように設定すると、よく使うオプションを短縮できます
  • パーミッションの読み方: drwxr-xr-xの意味
    • 1文字目: ファイルタイプ(d=ディレクトリ、-=通常ファイル、l=シンボリックリンク)
    • 2-4文字目: 所有者の権限(rwx=読み・書き・実行)
    • 5-7文字目: グループの権限
    • 8-10文字目: その他のユーザーの権限

実践的な使い方

最近更新したファイルを見つける

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ls -lt | head -5

最近更新された上位5つのファイルを表示します。

大きなファイルを見つける

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ls -lhS | head -10

サイズの大きい上位10個のファイルを表示します。

ディレクトリのみを表示

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ls -d */

カレントディレクトリ内のディレクトリだけを表示します。

隠しファイルのみを表示

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ls -ld .*

.で始まる隠しファイルだけを表示します。

inode番号も表示

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ls -li

各ファイルのinode番号も表示されます。ハードリンクの確認に便利!

まとめ

今回はlsコマンドについて学びました。

ポイント:

  • lsはファイルとディレクトリを一覧表示する基本コマンド
  • -lで詳細情報、-aで隠しファイル、-hで読みやすいサイズ表示
  • -tで時間順、-Sでサイズ順に並び替えができる
  • オプションは組み合わせて使える(-lahなど)
  • ワイルドカードを使うと特定のファイルだけを表示できる

lsコマンドは、ファイルシステムを探索する上で欠かせないツールです。いろんなオプションを試して、自分に合った使い方を見つけてください!

次回もLinuxコマンドの学習を続けていきましょう!